コラム
用地買収依頼
私たちの仕事について話したいと思います。今回は不動産の買収についてです。
実はこのワードをWEB上で検索しても行政の用地買収については出てくるのですが、民間の用地買収したいというニーズについてあまりヒットしないので書いておいた方が良いかと思いました。
買取と買収についての語句の違い
WEB上の辞書より、買取は「返品できない形で購入すること」、買収は「買いおさえること」です。他の意味もありましたが、不動産においてはこういう捉え方で良いのではないかと思います。
買取は買い取りたいと思っても相手待ちなので受け身です。買収はこの不動産を買いたいと相手に働きかけるので自発的です。
本題
不動産の買収については、特に法人様のニーズが多く、弊社に産業用地、隣地を用地買収したいとご相談・ご依頼に来られます。
さらっと書きましたが、実はこの用地買収を行っている不動産会社を見つけるのが難しいのです。といいますのも、冒頭に書いてある通りWEB上で用地買収のキーワードで不動産会社を探してもなかなか見つかりません。このWEB時代にです。
かくいう弊社も近々掲載する予定です。実は大手不動産の一部門では行ったりしているのですが、表にあまり出てきませんし、大規模の商業や工場や物流倉庫の用地買収が多いです。(大手ですから)
だから弊社にご相談に来られるわけです。地元で昔から買収されている不動産業者の方もおられるのですが、やはり表にはあまり出てきません。
個人や小さい業者さんが多いのと、不動産業者でない怪しい方もおられるのが、この買収の世界なんです。
一般の仲介会社さんに依頼できないのかと言われると依頼できます。ただ、どこまで交渉をやり続けてくれるのかというと疑問が残ります。
自分の立場になって考えれば感覚が分かると思うのですが、見知らぬ人から「あなたの不動産を譲ってくれ」と言われて、「分かりました」とふたつ返事ができますかということです。
中には渡りに船のようなこともあるでしょうが、そうあるものではありません。買収には交渉の時間がかかりますし、成功する確率は一般の取引よりも高くありません。
また、買収にはトラブルが起きたりします。記憶に新しいもので言えば、大手のSS不動産が地面師(詐欺師)にやられたとニュースが有りましたが、実はこの手の話は珍しいものではありません。(よくあるとまでは言いません)
大なり小なりありまして、他にもいよいよ契約してくるといって手付金を持って逃げたとか、計画倒産させたり、トラブルを隠して売りつけたりとキリがありません。
弊社も何度かトラブルに巻き込まれています。したがって、不動産買収については売る方も買う方も慎重にしなければなりません。クローズな情報を扱うからこそ、信頼できるところに頼むのが一番です。
用地買収を依頼される方に頭に入れておいて頂きたいのは、予算や条件や希望を明確にすることと、提案する不動産案件について柔軟に考えて頂きたいということです。
成約に至ったケースの紹介
ご理解して頂くために成約に至ったケースを紹介します。一番多いのは隣地が欲しいというご要望です。これについてはシンプルに地主様へ交渉していきますが、予算とタイミングが合うかが難しいのです。小さな土地であれば、相場よりもかなり割高で購入して頂いたこともあります。目的が達成するのであればやむなしとご理解頂けると幸いです。
もちろん、出来るだけ予算や相場を加味した提示を心掛けますが、時間がかかり過ぎると「やっぱり売らない」といったこともありますし、他者が途中から出てきて高く買っていったということもあります。
タイミングについては、あと何年は売らないといった地主様のご事情があったりします。
あとご要望でよくあるのは、「このエリアで面積をこれくらい」といったご要望です。これについては、一般に出ている不動産情報をまず探しご提案します。
これで決まれば話は早いのですが、何かしら条件が合わないということが多いですね。案件を何度か見比べていくことで慣れてきて、優先される条件が明確になっていきます。そこで柔軟に考えて頂けたらと思います。
買収する側としても、出来るのであれば闇雲に動くのは避けたいのです。もちろん、条件に全く合わない場合は一から買収交渉します。
成約に至ったケースの紹介
提示した不動産情報の面積が小さかったが、近隣を買い増したり賃貸すれば条件が整った。現在所有している場所から500m圏内で探していたが、1km圏内で見つかった。現在所有している場所から移動することになり、インターは遠くはなったが、予算内で敷地が3倍にできた。条件として、所有している不動産も同時に売却することにした。
100点でなくても80点の土地で検討余地はあったりするものです。あまり無責任なことも言えませんが、法人様は事業成長のために不動産を探されて用地買収を依頼したいと考えていると思われます。
用地が見つからなくて事業計画を進められないというのは辛いものです。妥協できるところは妥協頂けると、お手伝いさせて頂く側としてもやりやすいところです。
探す側としては、似たようなニーズで過去にご依頼頂いたが、面積や価格が合わなかったというのもありますので、それを活かせたりするのも嬉しいところです。
まずはお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。